KTS Titanium Neck Support Rods

KTSではブリッジパーツの他、ネック内に仕込まれ、弦の張力や気温や湿度等の外部環境による変形を矯正するトラスロッドや補強材を製作しております。ギターメーカーやビルダー様向けの製品で一般のユーザー様にはなじみの薄い物ではありますが、ここでは、目に見えない部分で活躍するKTSのネックサポートロッド, Titanium Neck Reinforcementについてご紹介しましょう。

Titanium Neck Reinforcement (ネック補強材)

“チタンでこのくらいの棒が出来んかねぇ?“ネック作りでは右に出る者はいないという信州の工房から問い合わせがあったのは、ブリッジサドルが商品化されて間もない頃でした。トラスロッドの両脇に仕込む補強材にするとの事。それまで、鉄、カーボングラファイト、セラミクス等がその素材として使用されてきていた様です。チューンオーマチックサドルの製法でも説明しましたが、金属を棒状に加工するのはKTSの得意とするところです。巾が6.0mm 、厚みが3.0mmの断面を持つ試作品のバーは実際にネックに組み込まれテストが繰り返された後、国産某高級ブランドのベースに採用されることになりました。そしてその後、国内最大のブランドであるIbanez Guitars & Bassesの多くの機種に採用されることになります。

(写真: KTS Titanium Reinforcement がインストールされている事を表すステッカーが貼付された、Ibanez ギターのヘッドストック)

そもそもネック内でトラスロッドの両脇に仕込まれる補強材(レインフォースメント)は、音質向上を目指して作られたものではなく、弦の張力や環境の変化によるネックの変形を抑える、あるいはトラスロッド調整でのネックの動き方を安定させるという目的で使われてきたものです。我々も開発当初は、音響的な向上については期待してはおりませんでした。しかしながらその後、いくつかの優れた音響的特質がビルダー達によって実証されております。

“The notes seem to jump off the board!”

2008年、KTS のネックレインフォースメントの採用を始めたときの、MTD(Michael Tobias Design)のルシアー、Michael Tobiasからのインプレッションコメントです。まだ業界の新参者であったKTSにとって、このレジェンドからの評価は胸おどるものでした。以来10年以上にわたり、彼の作品の一部に採用され続けています。

“The most obvious difference is the way it feel in my hand. The titanium makes it seem more solid but much more alive. Sonically it is more even, and the response is quicker. The note seem to jump off the board. It’s a very interesting phenomenon.” -Michael Tobias


Graphite or Titanium?

さてそれでは既存の最も一般的なカーボンファイバー(graphite)製補強材との違いはどうなのでしょうか? これについては、オーストラリアのハイエンドギターブランド、Vance Custom Guitarsのルシアー、Rusty Vance氏が下記にて説明しております。

Vance Custom Guitars (Australia) introduces KTS Titanium Neck Rods
https://www.k-t-s.com/topics/en/vance-custom-guitars

Vance氏は長年採用しているカーボンロッドの利点をあげながらも、KTSのチタニウムネックレインフォースメントはカーボンロッドに比べしなやかで安定した弾性(元に戻る力)があり、リッチなトーンとハーモニクスを生み出すといった点を指摘しています。ちなみに氏は、ギターのタイプによってカーボンとチタンを使い分けています。

ところで補強材と聞くと、がっちり固めて変形を防ぐというイメージですよね。チタンのようなしなやかな素材では補強材に向いていないのではと思われる方も多いのではないかと思います。しかしながら、どの様な硬い補強材であっても、木材で出来ているネックの反りを100%防ぐということは不可能であり、(もちろん何十本もの補強材で固めれば可能かも知れませんが...)トラスロッドによる調整がどうしても必要になります。KTSのチタニウムネックレインフォースメントはネックをがちがちに固定すると言うより、その直線であり続けようとする弾性により、ネックを常に変形させようとする弦の張力、あるいは温度、湿度等の外部環境の変化に対抗するという感じです。またネックには木目等により強度にばらつきがあります。必ずしもネックの中央を頂点として変形するわけではありません。補強材を入れるという事は、この強度が均一でないネックをバランス良く反らせる効果もあるのです。

KTS は冷間圧延という加工技術により、この補強材を製作しております。分かりやすく説明しますと、チタニウムワイヤーロッドを押してつぶして延ばして断面が長方形のフラットバーを作ります。このように成形された素材は加工硬化によりネック補強材としての程よい硬さになり、最適な弾性、すなわち素材が応力を受け変形した時に元に戻ろうとする性質を持つことになります。我々はこの目には見えない部分で重要な役割をはたす金属の棒を、手間暇かけ心を込めて製作しております。そして開発以来、数万本に及ぶメーカーへの出荷の中でのゼロクレーム実績を基に、この KTS Ti- Reinforcement を、自信を持ってお奨めするものであります。

 

 

*KTS Titanium Neck Reinforcementは製作者向け商品のため、基本的に一般販売はいたしておりませんが、米Stewart Macdonald社にて少量より購入することができます。詳しくは、同社ウェブショップにてご確認ください。

Stewart Macdonald
https://www.stewmac.com/Materials_and_Supplies/Truss_Rods/Titanium_Neck_Reinforcement_Rod.html

また、採用を検討されておられる製作者様におかれましては、メールにてお気軽にお問い合わせください。

info@k-t-s.com