ブリッジサドル Bridge Saddles

Why not invest in this seemingly humble yet vital part?  - KTS Musical Products Inc.

弦と直接コンタクトし、その振動をボディへと伝えるブリッジサドル、いくらエレクトリックギターが電気的に音を処理する楽器だからと言って、振動の源の部分がしっかりしていなくては、エフェクターのノリだって悪くなるだろうし、最終的にアンプから出てくる音だって満足のいくものにはならない。サウンド向上を目指すのであれば、この小さいけれども責任の重いパーツに目を向けてみてはいかがだろう。

チタニウム製ギターパーツのパイオニア

ここでは、世界中の多くのミュージシャン、ビルダーから高い評価を受けている、高品質チタン製ブリッジサドルを製作するKTS社とそのラインアップを紹介しよう。

こんなマニアックなパーツは、ギター好きがいる金属加工屋さんが考えたのではと思われるだろうが、正にその通り。1995年、当時ブレイクしていたCASIO G-Shock®向けチタン製時計バンドの製作に携わっていたKTS社が、エレクトリックギターの世界にもこの新しい金属をデビューさせようと開発したのが写真のTune-O-Maticスタイルのサドルだ。

開発第一号のPR-01。国産TOKIWA製ブリッジに対応

このサドルを開発するにあたりKTSではあるこだわりを持った。美しくなくてはならない事、そして音にとって最適な硬さを追求することだ。製法や工程についてはスペースの都合上割愛するが、(興味のある方は文末のリンク“KTS Tune-O-Matic Saddleの作り方”をチェックしていただきたい。)なにしろ手間暇かけたわけである。結果はアメージング。音がきれい、サスティンが伸びる、立ち上がりが早い...等々。

とはいえ、とかく開発当事者には良く聴こえるもの。そこで渋谷にある日本音響研究所に分析を依頼したのが下記のグラフだ。

これは第4弦の周波数分析。左側がチタンサドルで右側が従来の亜鉛ダイキャスト。形を見ただけでもチタンサドルの方が安定した振動をしていることが分かる。 

ストラトタイプサドル


KTSが第2弾として市場に投入したのが、おそらく最もポピュラーであろうストラトタイプのプレスサドルだ。その立ち上がりの良さはクリアなサウンドと相まって、心地よいコードカッティングを生み出す。弦の間隔によって3種類のサイズと、オクターブスクリューの位置がオフセットされたタイプが用意されている。ちなみに冒頭のタイトル画像の中でビルダーが手にするサドルは、その後KTSの最上位機種として開発されたブロックタイプのPR-17である。

Insert Block for Floyd Rose® Bridge

ブリッジサドル本体ではないが、ロッキングトレモロ系ギターを愛用するプレイヤー達に好評なのがこのTi-Blockだ。

サドル内部で弦を固定するブロツクをチタン製にすることで、それまでの悩みであった腐食や破損の悩みを解消した。

このTi-Block、ご本家Floyd Rose社にもご用達である。

 


Testimonials

さて、素晴らしい音響分析データと製品アイテムも揃ったチタンサドルだが、肝心なのは一流プレイヤー、ビルダーからの評価、いわゆるテスティモニュアルである。ここでは、ビルダーを代表して、TexasのスーパーハイエンドギターMarchione GuitarsのルシアーStephen Marchione氏のコメントを紹介しよう。

"I use KTS saddles to bring out more fat rich tone from my guitars. They help any fine instrument ring and sing without an unnecessary bling!"

KTS Titanium saddles are a simple way to significantly improve the tone of your guitar. I really like your product and plan to use more KTS saddles for my next batch of Marchione Semi-Hollow Body guitars." ―Stephen Marchione


Schaller社とのコラボレイト

最後に是非紹介しておきたいのが、2018年より始まった、ドイツSchaller社とのコラボレーションだ。


80年以上の歴史を持ち、全てにおいてMade in Germanyにこだわる世界ナンバーワンのギターパーツメーカーが、Made in Japanの小さなパーツを採用した。Schaller社みずからが”Powered by KTS Saddles”と銘打ったこのシリーズ、ブランディングを重視してきたKTSにとって大きなステップとなるだろう。

 

(この記事は、2019年に日本のRitto Music社より刊行された、竹田豊著Electric Guitar Mechanismに掲載した広告を抜粋、加筆、編集したものです。)

What process is used in making KTS Tune-O-Matic saddles?|KTS Musical Products Inc. (k-t-s.com)

 KTS | Titanium guitar & bass parts | Bridges & Saddles – KTS Musical Products Inc. (k-t-s.com)

 




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